新型コロナウイルスのパンデミックは、私たちの生活様式を大きく変えただけでなく、経済にも深刻な打撃を与えました。
収入の減少や失業の不安から、多くの人々が副業を探し始めましたが、その中には詐欺まがいの怪しいものから、労働基準法違反の明確な違法行為まで、様々な「ブラック副業」が潜んでいます。
本記事では、コロナ禍で急増している危険な副業の実態と、その対策について詳しく解説していきます。
デジタル化社会を狙う新手の手口
テレワークの普及と共に、オンライン上での副業募集が増加しています。特に注目すべきは、SNSを通じて広がる詐欺の情報商材や投資スキーム、アフィリエイト商法です。「簡単に稼げる」「初期投資なし」といった甘い言葉で誘い込まれるケースが後を絶ちません。
これらの副業の多くは、実際には高額な情報商材や会員登録料を要求し、期待したような収入は得られないばかりか、借金を抱えてしまうケースも報告されています。特に若い世代をターゲットにした手口は巧妙化しており、TikTokやInstagramなどのプラットフォームを通じて、成功者を装った投稿や広告が日常的に配信されるなど、見分けるのが困難になっています。
当ブログでは繰り返し口にしておりますが、これらは全てが詐欺というわけではありません。
しかしこれらは性質上詐欺を働きやすいということもまた事実です。
従来型のブラック副業の悪質化
一方で、従来からある対面での副業においても、コロナ禍を理由にした労働条件の著しい悪化が見られます。例えば、深夜配送や倉庫作業などの現場では、感染対策を理由に休憩時間の短縮や、残業代の未払いといった問題が発生しています。
さらに深刻なのは、これらの違法行為が「緊急事態だから仕方ない」という風潮の中で、暗黙の了解として扱われてしまっている現状です。労働者は生活のために声を上げられず、結果として劣悪な労働環境が常態化してしまうという悪循環に陥っています。
見えない搾取の構造
ブラック副業の背景には、複雑な搾取構造が存在します。多くの場合、募集主は複数の法人を経由させることで責任の所在を曖昧にし、労働基準監督署の調査から逃れようとします。
また、請負や業務委託という形態を取ることで、労働法制の保護を回避する手法も多用されています。このような構造により、たとえ問題が発覚しても、被害者が適切な補償を受けることは極めて困難となっています。
自己防衛の重要性と対策
ブラック副業から身を守るためには、まず「簡単に稼げる」という謳い文句を安易に信じないことが重要です。正当な副業であれば、必ず具体的な業務内容や報酬体系が明示されているはずです。
また、契約書の内容を慎重に確認し、不明な点があれば労働基準監督署や消費者センターに相談することを躊躇わないようにしましょう。特に注意が必要なのは、以下のような点です:
- 「必ず儲かる」という断定的な表現を使用している
- 支払いや契約条件が曖昧
- 個人情報の提供を強要される
- 友人や知人の勧誘を求められる
- 高額な初期費用や講座料金が必要
健全な副業への道筋
一方で、きちんとした副業の機会も確実に存在します。政府が認定する副業マッチングサービスや、大手企業が運営する副業プラットフォームを活用することで、安全に副業を始めることができます。
また、自身のスキルや経験を活かせる分野での副業を選択することで、本業とのシナジー効果も期待できます。ただし、どんなに良い案件であっても、労働時間や健康管理には十分な注意を払う必要があります。
おわりに
コロナ禍における経済的な不安は理解できますが、だからこそ慎重な判断が必要です。
目先の収入に惑わされることなく、長期的な視点で副業を選択することが重要です。また、社会全体としても、このような問題に対する認識を高め、より健全な副業環境を整備していく必要があるでしょう。困ったときは一人で抱え込まず、専門機関に相談することをお勧めします。
私たち一人一人が賢明な選択をすることで、ブラック副業の撲滅につながることを願っています。
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