ブックメーカーとは?歴史から現代までの詳細解説

こんにちはコバヤシです。

ブックメーカーは、スポーツベッティングや各種イベントの賭けを提供する事業者として、世界中で広く認知されています。

賭け事に該当するため、日本においてはグレーなものとされています。

その起源は18世紀のイギリスに遡り、現在ではオンラインベッティングの普及により、グローバルな娯楽産業として確立されています。

競馬から始まったこの業界は、技術革新と法的整備を経て、現代では多様なスポーツイベントや政治的出来事まで幅広くカバーする巨大な市場へと発展しました。

日本においても近年、海外のブックメーカーサイトへの関心が高まっており、その仕組みや歴史を理解することは重要な意味を持っています。

ブックメーカーの起源と歴史的発展

ブックメーカーの歴史は、1750年代のイギリス競馬界において始まりました。当時の競馬場では、観客同士が個人的に賭けを行っていましたが、より組織的で公正な賭けの仕組みが求められるようになりました。

ハリー・オグデンという人物が、ニューマーケット競馬場で最初の組織的なブックメーキング業務を開始したとされています。

彼は馬の勝率を計算し、適切なオッズを設定することで、賭けを仲介する役割を果たしました。この革新的なシステムは、従来の個人間の賭けと比較して、より透明性が高く、参加者にとって公平な環境を提供しました。

19世紀に入ると、この仕組みは急速に普及し、イギリス全土の競馬場でブックメーカーが活動するようになりました。産業革命の影響で鉄道網が発達すると、ブックメーカーは各地の競馬場を巡回し、より大規模な事業展開が可能となりました。

競馬

20世紀における制度化と法的整備

20世紀に入ると、ブックメーキング業界の法的地位が重要な課題となりました。

1906年に制定された「Street Betting Act」により、イギリスでは路上での賭け行為が禁止されましたが、競馬場内でのブックメーカー活動は合法として認められました。

この法的区別により、ブックメーカーは競馬場を拠点とした正当な事業として発展することができました。1960年には画期的な「Betting and Gaming Act」が制定され、ライセンス制度が導入されました。

この法律により、適切な許可を得たブックメーカーは、競馬場外でも店舗を構えることが可能となり、業界の大幅な拡大が実現しました。

同時に、税制面での整備も進み、ブックメーカーは政府にとって重要な税収源としても位置づけられるようになりました。この制度化の過程で、業界内では自主規制機関も設立され、公正性と透明性を確保するためのガバナンス体制が構築されました。

デジタル革命とオンラインベッティングの台頭

1990年代後半から2000年代初頭にかけて、インターネット技術の普及がブックメーカー業界に革命的な変化をもたらしました。1996年に設立されたIntertopsが世界初のオンラインスポーツベッティングサイトとして知られており、これを皮切りに多くの事業者がデジタル市場に参入しました。

オンラインプラットフォームの登場により、顧客は24時間いつでも、世界中のスポーツイベントに賭けることが可能となりました。

この技術革新は、従来の店舗型ビジネスモデルを根本的に変革し、運営コストの削減と同時に、より多様なベッティングオプションの提供を実現しました。

モバイル技術の発達により、スマートフォンアプリを通じた「ライブベッティング」も普及し、試合進行中にリアルタイムでオッズが変動するシステムが確立されました。

現在では、人工知能を活用したオッズ算出システムや、ブロックチェーン技術を用いた透明性の高い決済システムなど、最新技術の導入が続いています。

ブロックチェーン

現代のブックメーカー業界の特徴と市場規模

現代のブックメーカー市場は、年間数兆円規模の巨大産業として成長しています。イギリス、マルタ、ジブラルタル、キュラソーなどの国や地域がライセンス発行拠点として機能し、厳格な監督体制の下で事業者の運営が管理されています。

業界大手企業には、

  • bet365、
  • William Hill、
  • Ladbrokes、
  • Paddy Power

などがあり、これらの企業は世界各国でサービスを展開しています。

現代のブックメーカーは、従来のスポーツベッティングに加えて、政治選挙の結果、映画賞の受賞者、気象予測など、非常に幅広い分野でベッティングオプションを提供しています。

また、責任あるギャンブルの概念が重視され、依存症防止のための自己制限機能や、未成年者保護システムなどが標準装備されています。さらに、データアナリティクスやマシンラーニングを活用した高度なリスク管理システムにより、事業者は適正なオッズ設定と収益確保を両立させています。

日本における状況と今後の展望

日本では公営ギャンブルとして競馬、競輪、競艇、オートレースが合法化されていますが、海外ブックメーカーに関する法的位置づけは複雑な状況にあります。

多くの日本人ユーザーが海外のライセンスを持つオンラインブックメーカーを利用している現状がありますが、これらのサービスの利用に関しては、法的グレーゾーンとして議論が続いています。

一方で、2016年に成立した「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(カジノ法)により、統合型リゾート(IR)の一部としてカジノが合法化される方向性が示されており、ギャンブル産業全体に対する社会的認識も変化しつつあります。

技術面では、5G通信の普及により、より高品質なライブストリーミングサービスや、拡張現実(AR)・仮想現実(VR)技術を活用した新しいベッティング体験の提供が期待されています。

また、暗号通貨決済の導入や、ブロックチェーン技術による透明性の向上など、フィンテック分野との融合も進んでいます。今後のブックメーカー業界は、技術革新、法規制の整備、社会的責任の履行をバランス良く推進しながら、持続可能な成長を目指していくと予想されます。

本記事ではブックメーカーについて言及しましたが、この複数のブックメーカーの存在を利用して稼ごうという趣旨の詐欺も存在しているようです。

そちらについては下記リンクをご参照ください。

ブックメーカーを利用した詐欺についての記事

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